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論文紹介

著者の顔画像Zhang Shenke先生
30 JANUARY 2023
A New Partial Gravity Simulator based on a Pully-Spring System
論文画像
火星や月の低重力レベルが地球上の人間の健康に及ぼす影響をより簡単に調査できるようにするため、模擬的な部分重力装置をベースにした新しい滑車システムを開発しました。この装置で処理したラットの下肢骨をCTでスキャンしたところ、これまでの低重力装置を用いた場合と同様の骨パラメータが得られました。本論文では、私たちの開発した新しいデバイス独自の利点について報告しました。
Frontiers in Cell and Developmental Biology
doi:10.3389/fcell.2022.965656
著者の顔画像柴 慎太郎先生
19 JANUARY 2023
Re-Irradiation with C-ion RT for Rectal Cancer after Preoperative CRT
論文画像
直腸癌術後骨盤内再発に対する重粒子線治療は良好な治療成績を示し、当院やQST病院から前向き試験の報告が、J-CROSからは多施設共同試験が報告されています。これらの報告は初回放射線治療の方を対象とした報告で、術前化学放射線治療後の再照射の報告は少なかったです。この論文の結果は、少ない症例ながら、初回重粒子線治療と安全性、有効性ともにほぼ同等と言えるものでした。再照射は全くできないと思われている方もいると思いますので、再照射のデータを出していくことは大事かなと思っています。
In Vivo
doi:10.21873/invivo.12983
著者の顔画像阿部 孝憲先生
08 JANUARY 2023
Simple Method for Evaluating Lung Dose Optimization in Patients with Lung Cancer Treated with IMRT
論文画像
肺癌に対する強度変調放射線治療が急速に普及する中で、治療計画作成方法には定まったやり方がありません。手探りでベストと思われる治療計画を作成し治療を行ってきましたが、症例数が増えたところでデータを振り返り、治療計画の達成度を評価する手法を編み出しました。題名に「Simple」と入れたくらい簡単な方法なので、これから初めようとする施設の役にも立つと思います。
Thoracic Cancer
doi:10.1111/1759-7714.14634
著者の顔画像安達 彰子先生
28 DECEMBER 2022
Radiotherapy With H2O2 Gauze for Preauricular Sebaceous Carcinoma
論文画像
超高齢者の眼瞼外脂腺癌に対して過酸化水素水ガーゼを使って放射線治療をおこなった症例報告です。眼瞼外脂腺癌に対する放射線治療の報告はこれまでほとんどありません。超高齢の患者さんにも負担ない放射線増感法として過酸化水素水ガーゼを併用し、非常に良い結果を得ることができました。本症例報告は今後同様の治療をおこなう場合の貴重な一例となると思います。
Cureus
doi: 10.7759/cureus.27464
著者の顔画像高草木 陽介先生
17 DECEMBER 2022
Carbon-Ion Radiotherapy for Soft Tissue Sarcoma of the Extremities
論文画像
四肢の骨軟部組織腫瘍に対する重粒子線治療の成績をまとめました。四肢の肉腫に対する基本的な治療方針は手術ですが、合併症で手術ができなかったり、その侵襲から手術を希望されないケースがしばしばあります。その場合、治療方法は非常に限られていました。これまで悪性骨軟部組織腫瘍に対する重粒子線治療の有用性が示されてきましたが、四肢の病変に対する報告はわずかです。当院では骨軟部腫瘍外科とも協力し、四肢の病変に対しても重粒子線治療を行ってきました。他の部位の骨軟部組織腫瘍の治療と同様に良好な治療効果を示し、有害事象も許容範囲であり、根治治療の有用な選択肢となりそうです。
Anticancer Research
doi: 10.21873/anticanres.15859
著者の顔画像小此木 範之先生
06 DECEMBER 2022
Risk of Secondary Malignancy after Radiotherapy for Breast Cancer: Long-Term Follow-Up of Japanese Patients with Breast Cancer
論文画像
時間が経って初めて大事なことが見えてくることがあります。また、良い面だけでなく、リスクについても明らかにすることは、医療の質をさらに向上させる上で必要不可欠な要素です。この研究は、日本人の乳がん患者さんにおける術後・放射線治療後の2次がんのリスクに関して、700人以上・最長18年余りのデータを元に解析しました。最先端の治療や研究手法だけではなく、このような地道な研究も未来を拓くためには重要と考えています。
Breast Cancer Research and Treatment
doi: 10.1007/s10549-022-06644-x.
著者の顔画像Narisa Darwis先生
25 NOVEMBER 2022
FGFR Axis: A Seed for Cancer Radio-Sensitization
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過去の私達の臨床研究によってがんにおけるFGFR経路亢進が放射線抵抗性に寄与することが示唆されました(2021/5/6記事参照)。そこで本研究ではFGFR阻害剤LY2874455の放射線増感効果を調査しました。同薬剤は複数の放射線抵抗性がん細胞において増感効果を示し、マウスモデルにおいても明らかな毒性は認められませんでした。Narisa先生はインドネシア出身の当科リーディング大学院です。院生生活の総まとめとなる4報目の筆頭論文、おめでとうございます!
Cells
doi: 10.3390/cells11111727
著者の顔画像柴 慎太郎先生
14 NOVEMBER 2022
Inoperable Post-Irradiation Osteosarcoma Treated with Carbon-Ion Radiotherapy
論文画像
放射線治療では、放射線治療を行うことで誘発される二次癌というのがしばしば問題になります。この論文では子宮頸癌に放射線治療を行い長期間経過した後に照射野内に発生した骨肉腫に対して重粒子線治療を行い、長期生存を得られた2例を報告しました。放射線治療後の二次癌への再度の放射線治療は難しいと思われがちですが、重粒子なら安全に根治的治療ができるかもしれません。症例報告ではありますが、みなさまの診療の役に立てれば嬉しいです。(編者注:柴先生は湘南鎌倉総合 病院でご活躍中で、写真は近郊の新江ノ島水族館だそうです)
Radiation Oncology
doi: 10.1186/s13014-022-02040-3.
著者の顔画像富澤 建斗先生
03 NOVEMBER 2022
Get Good at Aiming!
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「学位論文がAcceptされた」 人生に1度しかないその瞬間の喜びは、つい昨日のように鮮明に思い出すことができます。本研究では、通常の腔内照射のみでは治しきることが困難な巨大・不整形の子宮頸癌に対して、組織内針の刺入を追加するハイブリッド照射という技術を習得するためのシミュレーターを開発しました。放射線治療医が腫瘍を上手に「狙い撃ち」できるようになることで、世界中でより多くの子宮頸癌患者さんが助かるようにと想いを込めて作った自信作です。
Journal of Clinical Medicine
doi:10.3390/jcm11113103
著者の顔画像大高 建先生
23 OCTOBER 2022
Repeated C-ion RT and TACE for Hepatocellular Carcinoma: A Case Report
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高齢患者の初発大径肝細胞癌に対して重粒子線治療を行い、局所再発に対してTACE+再照射、他部位再発に対してTACEを繰り返し行い、良好な経過が得られた症例報告です。元はある先輩から引き継いだ学会発表でしたが、ようやく論文にすることができました。ご指導くださった先生方、ありがとうございました。
Clinical Journal of Gastroenterology
doi: 10.1007/s12328-022-01642-4
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