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新着論文紹介

著者の顔画像富澤 建斗先生
03 NOVEMBER 2022
Get Good at Aiming!
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「学位論文がAcceptされた」 人生に1度しかないその瞬間の喜びは、つい昨日のように鮮明に思い出すことができます。本研究では、通常の腔内照射のみでは治しきることが困難な巨大・不整形の子宮頸癌に対して、組織内針の刺入を追加するハイブリッド照射という技術を習得するためのシミュレーターを開発しました。放射線治療医が腫瘍を上手に「狙い撃ち」できるようになることで、世界中でより多くの子宮頸癌患者さんが助かるようにと想いを込めて作った自信作です。
Journal of Clinical Medicine
doi:10.3390/jcm11113103
著者の顔画像大高 建先生
23 OCTOBER 2022
Repeated C-ion RT and TACE for Hepatocellular Carcinoma: A Case Report
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高齢患者の初発大径肝細胞癌に対して重粒子線治療を行い、局所再発に対してTACE+再照射、他部位再発に対してTACEを繰り返し行い、良好な経過が得られた症例報告です。元はある先輩から引き継いだ学会発表でしたが、ようやく論文にすることができました。ご指導くださった先生方、ありがとうございました。
Clinical Journal of Gastroenterology
doi: 10.1007/s12328-022-01642-4
著者の顔画像田代 睦先生
08 OCTOBER 2022
First Human Cell Experiments With FLASH Carbon Ions
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私と吉田先生、尾池先生による共同筆頭著者の論文です。近年、超高線量率(FLASH)照射が注目を集めています。従来同等の腫瘍制御や正常組織障害低減のメカニズムは議論の真最中です。一方、炭素線FLASH効果についてはほとんどデータがありません。もともと炭素線ではスポット単位で高線量率ビームが得られています。そこで、単一スポットビームに対してFLASH/non-FLASH炭素線照射システムを構築し、ヒト細胞について効果を調べました。その世界初の報告です。今回FLASH効果は見られませんでしたが、今後条件を広げて調べていく予定です。
Anticancer Research
doi:10.21873/anticanres.15725
著者の顔画像大野 達也先生
01 OCTOBER 2022
JASTRO Consensus Guidelines of IC/IS Brachytherapy. Now Available!
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子宮頸癌に対する組織内照射併用腔内照射(いわゆるハイブリッド)の元祖と言えば、群馬大学です。その有用性は高く評価され、アジアの放射線治療医が群馬大学に研修に来るなど国内外でも次第に広がりつつあります。しかし、これまで腔内照射のみ実施してきた施設にとっては、なかなか一歩目が踏み出せないのではないかと思います。このガイドラインは、国内のエキスパートが安全に高度な治療を行うための議論を重ねて完成しました。この治療を必要とする世界の人々に読んで頂き、さらに発展させていきたいと思います。
Journal of Radiation Research
doi:10.1093/jrr/rrac011.
著者の顔画像髙草木 陽介先生
24 SEPTEMBER 2022
Evaluation of Safety for Scanning Carbon-Ion Radiotherapy in Hemodialysis Patients With Prostate Cancer
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透析患者は自尿がないため照射範囲に腸管が接近します。また便秘も多く排便コントロールにも難渋します。こうしたことから、透析中の前立腺癌患者の重粒子線治療では通常の症例よりも留意すべき点が多いと考えられます。本研究ではin-room CTも交えた解析により、透析患者においても重粒子線治療が安全に実施できていることを確認しました。それにしても、Cureus はありがたいジャーナルです。査読も速く、掲載料も基本無料、PubMedでの検索も可能、そしてopen access。症例報告から以前出したようなDeepLの研究に至るまで幅広く採択され、まさに困ったときのCureus ! という感じです。
Cureus
doi:10.7759/cureus.22214
著者の顔画像柴 慎太郎先生
17 SEPTEMBER 2022
Visualisation of Carbon Ion Beams With of Positron Emitter
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放射線治療は五感で感じることができない治療なので、何をやっているのか分かりづらく、とっつきにくいところがあるかと思います。しかし、PETやコンプトンカメラという装置を使い、重粒子線照射による体内での核反応によってできるガンマ線を観察すると、照射された部位を可視化することができます。この研究は、体内金属を有する患者に重粒子線を照射した際の重粒子線の飛程と、照射による核反応によってできるものが血流などで流れていってしまうことを観察したものです。重粒子線治療は可視化することができるんだ!ということを知ってもらえれば嬉しいです。(編者注:柴先生は湘南鎌倉総合病院でご活躍中で、写真は近郊の名勝、小田原城だそうです)
In Vivo
doi: 10.21873/invivo.12654.
著者の顔画像渋谷 圭先生
10 SEPTEMBER 2022
Prospective Study of 4 Fractions of Carbon-Ion RT for HCC (GUNMA0703)
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肝細胞癌に対する重粒子線治療の前向き研究の報告で、群馬大学で当初より行われていたものです。良好な局所効果に加えて、臨床検査値などの客観的な指標によっても肝予備能に与える影響は軽微であることが確認されました。肝臓領域では放射線治療はマイナーですので、放射線治療以外の専門誌に投稿することを心がけています。査読者最大5人×4回のreviseを経ての掲載でしたが、多くの先生方にご協力いただいた成果を形にすることができました。
Liver Cancer
doi: 10.1159/000520277.