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新着論文紹介

著者の顔画像武者 篤先生
22 JANUARY 2022
Oral Findings during Follow-Up of Head and Neck Cancer Treatment
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癌治療では、PET検査が必要に応じ施行されます。しかし、頭頚部領域では口腔内の虫歯・歯周病(炎症)による偽陽性は正確な診断の妨げになるだけでなく、必要とされる治療への移行が遅れてしまう事も懸念されます。頭頚部癌治療後のPET検査で下顎歯肉に集積が見られ、結果的に親知らずが原因の腫れ(智歯周囲炎)であった症例を教訓的症例として報告しました。口腔管理は重要だと改めて感じました。
SAGE Open Medical Case Reports
doi: 10.1177/2050313X211033037
著者の顔画像森 康晶先生
14 JANUARY 2022
Analysis of Radiotherapy-Induced Alteration of CD8+ T cells and PD-L1
論文画像
放射線治療はがんの微小環境における免疫反応を誘発させて患者さんの予後に影響を与える可能性があります。子宮頸がん患者の治療前とX線10 Gy照射後の検体でPD-L1とCD8陽性細胞の発現変化と予後との相関を評価しました。間質CD8陽性細胞の浸潤密度が照射前後ともに低い群は特に予後不良でした。PD-L1発現は照射後に亢進しましたが、予後との相関は認めませんでした。X線治療経過中にPD-L1発現が亢進していることから、X線治療とPD-L1抗体の同時併用が効果的である蓋然性を示す結果となりました。
Oncology Letters
doi: 10.3892/ol.2021.12707
著者の顔画像Tiara Bunga Mayang Permata先生
08 JANUARY 2022
High-LET Carbon Ion Irradiation Upregulates PD-L1 Expression Greater than X-rays
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PD-L1 upregulation by X-ray irradiation through the DNA damage signaling is well-established. In this paper, we showed for the first time that high-LET carbon ions increase the PD-L1 expression levels more significantly than X-rays through the similar mechanisms. Using a super-resolution microscopy, we presented PD-L1 molecules expressed on the cell surface post-irradiation, which was greater for carbon ions than for X-rays.(編者注:マヤン先生は当研究室にて学位を取得し、現在は東南アジア最高峰のDr. Cipto Mangunkusumo National General Hospitalで放射線治療科長として活躍しています)
Journal of Radiation Research
doi: 10.1093/jrr/rrab050
著者の顔画像柴 慎太郎先生
01 JANUARY 2022
G-CSF Producing Uterine Cervical Cancer Treated with Chemoradiotherapy
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G-CSF産生子宮頸癌という比較的稀な疾患に対して化学放射線治療を行ない、aggressiveな腫瘍にもかかわらず照射範囲内の制御を得られたという報告です。この方は、私が入局1年目すぐに治療を行なった方で、治療期間中ここでは書き尽くせないくらい色々なことがあり、勉強させていただきました。今後も、患者さんから学ばせていただくという気持ちを忘れずに頑張っていきます。
Clinical Case Reports
doi: 10.1002/ccr3.3495.
著者の顔画像Li Yang先生
25 DECEMBER 2021
Adaptive Planning in Carbon Ion Radiotherapy for Pancreatic Cancer
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粒子線治療においては、消化管の影響のために対象部位の線量分布に大きな不確実性を生じることがあります。今回解析した結果、骨照合を用いたターゲットの累積線量は治療計画時と比較して17%も低下し、腫瘍照合を用いたとしても10%低下することが明らかになりました。この知見は、膵臓癌への重粒子線治療は、単一の放射線治療計画を用いた場合、日々の解剖学的変化の影響により目標線量を投与できない場合があることを示唆します。この課題を解決するために、治療当日にCTを撮影し同画像上の解剖学的情報に基づいて治療計画を修正するアダプティブ放射線治療法を開発中です。
Radiation Oncology
doi:10.1186/s13014-021-01841-2
著者の顔画像阿部 孝憲先生
18 DECEMBER 2021
Feasibility of IMRT with Involved Field Radiotherapy for Japanese Patients with Locally Advanced Non-Small Cell Lung Cancer
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日本人の局所進行非小細胞肺癌患者に対する強度変調放射線治療の報告です。欧米ではおそらくこの病気に対する強度変調放射線治療のことを報告しても「すでにみんなやってるよね、たったの20例で論文化?」で終わりだと思いますが、日本ではまだあまり行われていないので論文化できました。査読で引っ掛けて下さったReviewerの先生に感謝したいと思います。
Journal of Radiation Research
doi:10.1093/jrr/rrab063
著者の顔画像富澤 建斗先生
11 DECEMBER 2021
Rectovaginal Fistula in Cervical Cancer Patient Treated with Sequential Radiotherapy and Bevacizumab
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放射線治療は「患者さんに優しい治療」というイメージがあると思います。実際、私達治療医も患者さんへの侵襲が少なくなるよう工夫しております。しかし、時に重篤な合併症が出てしまうことも事実です。今回は、大変有用ではあるものの、放射線治療と組み合わせると場合によっては合併症のリスクが上がるベバシズマブという薬剤の使用により直腸腟瘻をきたした症例を報告しました。治療を選択する上で、治すことだけではなく、患者さんにとってのリスクもきちんと考慮することの重要性を再確認した一例でした。
Clinical Case Reports
doi: 10.1002/ccr3.3955