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先輩医師からのメッセージ

放射線科に入局してからも、様々な活躍の仕方があります。あなたが興味のある先輩医師の声を聞いてみて下さい。

当科の特色について:医会長からのメッセージ

名前:神沼 拓也
出身:東京都
趣味:お酒を嗜むこと
大学時代の部活:スキー部、剣道部

みなさん、こんにちは。群馬大学放射線科医会長の神沼拓也です。ここでは当教室の特色を御紹介させていただきます。
当教室の特徴を一言でいうと「多様性」だと思います。

まず臨床面では世界最先端の重粒子線治療をはじめ、画像誘導小線源治療(IGBT)、定位放射線治療、強度変調放射線治療(IMRT)など、様々な高精度放射線治療を行っています。あらゆる治療法を学ぶことで、総合力の高い臨床医の育成を目指しています。研究面では物理的なものから生物学的なものまで、幅広いテーマで基礎研究や臨床研究を行っています。研究は当教室内で行うもののみならず、医学物理部門や生物学部門と連携をしたり、大学内に設置されている未来先端開発機構の“ハーバード・ラボ”とも連携を行い、世界をリードする研究者を育てるべく様々なプロジェクトを主導しています。このように恵まれた環境で放射線治療を学べる施設は他に無いと言って良いのではないかと思います。

当教室の「多様性」は環境面だけではありません。それはこの教室を作り上げている人材、つまり仲間達です。強い情熱を持った教授と、それに惹かれて集まった個性あふれる仲間達。それぞれが色々なことに興味を持ち、経験や研究を重ね、議論を行い、日々お互いに刺激しあいながら働いています。それが時に大きな「化学反応」を起こし、大きな力となってきました。がん治療という、標準治療だけでは解決できない場面に多く突き当たる領域では、仲間達の経験や意見は本当に心強いものです。

まず一度遊びに来てください。自分もこの仲間に加わりたい、と感じてもらえると思います。

臨床を頑張りたい人へ

出身:長野県
興味のある分野:放射線治療全般
趣味:釣り
大学時代の部活:バドミントン部

■ 放射線治療をめざしたきっかけは?

全身の臓器の診療に携われ、基礎から臨床、生物から物理まで幅広く仕事ができることに魅力を感じたからです。

■ 初期研修が終わった直後はどのように働いた?

群馬大学医学部附属病院放射線科でシニアレジデントとして働く傍ら、社会人大学院生として大学院(腫瘍放射線学)に進みました。

■ 今やっていることは?

前立腺癌に対する重粒子線治療を中心に、肺癌、頭頚部腫瘍、皮膚癌、血液腫瘍、など多くの疾患の放射線治療に携わっています。ときどき、副作用が出ずに治療が終わった患者さんから「何も感じなかったよ。寝てるだけで癌が治ればこんないいことはないね。」と言われ、放射線治療に携われることの喜びを感じています。

また、日々の診療の中から重要だと感じることをまとめ、考察し、学会で発表したり、論文を書いたりもしています。

■ 放射線治療を目指す学生・研修医に向けて一言

超高齢化が進み、がん患者さんが増え続ける状況で、安価で体への負担が少ない放射線治療は重要性が高まっています。

また、近年の癌治療分野では免疫療法が大きな注目を浴びていますが、放射線治療は免疫療法との相性がよく、組み合わせることで高い治療効果が得られる可能性を秘めています。

少しでも放射線治療に興味を持った方は、ぜひ見学に来てみて下さい。

国際貢献に興味がある人へ

出身:埼玉県
興味のある分野:頭頸部癌
趣味:ダイビング
大学時代の部活:弓道部

■ 今やっていることは?

日常的には主に肺癌、頭頚部癌、泌尿器腫瘍のX線治療ならびに重粒子線治療に携わっている。がんを治療するだけではなく、その後の生活も考えて「上手」に治療できるよう、臨床と同時に研究も行っている。

国際貢献活動としては、IAEA(国際原子力機関)と協力したプロジェクトに関わったり、FARO( アジア放射線腫瘍学連盟)の事務局としての活動をしたりしている。

■ 国際貢献・海外での活躍とは具体的にどのようなことをしているのか?

IAEA(国際原子力機関)と協力したプロジェクトではアジア地域の放射線治療の質を高める活動をしている。具体的には各国から選ばれた放射線腫瘍医に対してトレーニングを行い、質の高い放射線治療の技術をアジア各国へ伝搬できるような活動を行っている。IAEAと連携しながらトレーニングを開催する国を決めたり、進捗状況を確認したりしている。

FARO( アジア放射線腫瘍学連盟)の活動では、学術集会の開催や運営の補助などを行っている。

■ 国際貢献というと英語力が必要だったり、臨床との両立が難しいのではといった心配があるが、どうか?

英語力はあるに越したことはないが、私は英語が得意とは言えない。その為に苦労することはあるが、幸いないことに周囲のサポートがあるため、国際貢献をする意思があれば活動することは可能である。当科には留学経験者が多数在籍し、留学生も受け入れている為、サポート体制はしっかりしている。

臨床と国際貢献の両立も周囲のサポートがあるため難しくはない。スタッフ紹介のページを見るとわかるように当科はメンバーが多く、何かあればお互いにサポートするため、臨床や研究、その他の活動に積極的にチャレンジすることができる。

■ 放射線治療を目指す学生・研修医に向けて一言

重粒子線治療に限らず放射線治療全般が新しい技術の恩恵を受けやすい分野であり、大きな可能性があると感じている。私は学生時代に国際貢献をするという積極的な希望はなかったが、日本のみならず、世界の患者さんのために活動するということは得難い経験であり、自分にとってプラスであると感じている。国際貢献は必須でないが、希望があれば活躍できる場を提供することができるので、少しでも興味があればぜひ声をかけてほしい。

出産・育児と仕事を両立したい人へ

出身:神奈川県
興味のある分野:小児放射線治療
趣味:洋食器収集、旅行
大学時代の部活:弓道部

■ 現在どんな仕事をしているの?

現在は第二子の育休中ですので通常業務には就いていません。普段は主に外来診療を担当しています。産育休直前は泌尿器チームに所属し、通常の放射線治療外来に加え、重粒子線治療外来も担当していました。

大学院は1回目の産休育休を経ながらも、一昨年卒業しました。子宮頸癌の治療に関する研究や、がんの低酸素に関わる研究を行い、臨床と基礎の両面から見通す力につながったと思います。卒業した今も、研究は継続しています。

■ 女性でも活躍できる?体力は必要?

もちろん活躍できます!今まで放射線治療医として過ごしてきた中で、女性だから不利になったと感じたことは一度もありません。むしろ子宮頸がん等女性特有の病気を扱うこともあるので、女性医師がいるということで喜ばれたことはあります。

そうはいっても、産休や育休で仕事に従事できない期間もあったり、子育てとの両立をしなくてはならない部分もあって(まだ日本では女性が子育てを担う比率が高いですからね…)男性と同じペースでレベルアップしていくわけではありませんが、これもいい経験となって今後の仕事に活かせると思います。

体力については、人並みであれば問題ないと思います。長時間の立ち仕事もありません。

■ 出産・育児と仕事の両立についてのサポートはある?

子育てと仕事の両立ができていると考えるか否かは、それぞれ個人の満足度によるところが大きいと感じます。子育てに重点を置きたい人、平日は仕事に集中したい人…いろんな考え方があり、どれも正解だと思います。私たちの教室には実際いろいろな働き方をしている先生がおり、多様性が認められています。

そして私自身、教室の先生方から多くのサポートしていただきながら仕事と育児を両立しています。ここには書ききれないので、もし見学に来ていただければ、具体例などお話しできます。ほかにも不安なことがあれば、いつでも相談に乗りますよ。

■ 放射線治療を目指す学生・研修医に向けて一言

「放射線治療」。医学部に入る前は、知らなかった人が多いのではないでしょうか。私も知らなかった一人です。でも実は、がんの三大療法の一つを担う大事な治療法なんです。

そしてがんの根治から緩和まで、小児から高齢者まで、足の先から頭の先まで、幅広いがんの治療に適応されます。つまり、がん治療のスペシャリストになれるのです。 さらに、私たちの教室には重粒子線治療施設も備えており、最先端の技術にも触れることができます。

臨床に研究、国際貢献、子育て等々、いろいろな選択肢を持っているのが私たちの教室です。あなたのやりたいことは何ですか?興がわいたら、一度見学に来てください。男性も女性も、大歓迎です!

研究を頑張っていきたい人へ

出身:宮城県←岩手県←福島県
興味のある分野:放射線免疫、腫瘍生物学、定位放射線治療、重粒子線治療
趣味:映画、クラフトビール
大学時代の部活:ストリートダンスサークル、軟式テニス部(4年生まで)

■ 放射線治療をめざしたきっかけは?

切らずにがんを治す。そこに強く惹かれました。

また学生時代に、放射線治療はその重要性に比べて認知度が低く、まだまだマイナー扱いであるという話を聞いたことも影響しています。そんな状況下で、放射線治療の普及および発展に寄与し、それを通じて患者さんの役に立ちたいという思いから放射線治療を目指しました。

■ 群馬大学放射線科の特色は?

臨床と基礎研究の両方を重視していることです。放射線治療には、大きな可能性を秘めているものの未解明な領域が残っています。臨床での経験や疑問点をきっかけに基礎研究に取り組むことは、放射線治療、ひいては医学の発展につながります。

他の特色として、国際的な意識の高さも挙げられます。海外学会での発表(ポスター貼ってハイ終わり、ではない)の機会も多く、また大学には複数の留学生が常にいるため、英語でのディスカッション能力が鍛えられ、国際感覚も高まります。

またこれは仕事とは別の話ですが、家族との時間を重視してくれる気風があることも特色と言えるかもしれません。

■ 今やっていることは?

臨床では、前立腺癌に対する重粒子線治療や、サイバーナイフによる定位放射線治療、ならびに小線源治療に携わっています。

研究では、本庶佑先生のノーベル賞受賞やPACIFIC trial(III期肺癌の治療成績を劇的に改善した臨床試験)により大いに注目されている癌免疫について、放射線科の立場から研究を進めています。この分野はまだまだ未解明な部分が多く、非常にやりがいを感じています。

■ 放射線治療を目指す学生・研修医に向けて一言

「基礎研究」と聞くと難しいイメージを持つかもしれません。かく言う私も、研修医の時までは研究なんか全く意識していませんでした(それどころか、医者なら研究なんかやってないで臨床してナンボだろ!くらいの意識でした)。しかし今は、研究の重要性だけでなく、楽しさすらも感じています。おもしろいことに、基礎研究の経験を通じて、臨床での現象の見方も変わってきます。つまり、この両者はどちらも医師として重要な要素であると感じています。

臨床も研究もできる群馬大学で、共にがん治療の発展に貢献していけたら嬉しいです。