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論文紹介

著者の顔画像吉本 由哉先生
06 MAY 2021
Mutation Profiling of Cervical Cancer Patients Who Received Definitive RT
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子宮頸癌は若年女性の死因として極めて重要な疾患です。原因としてヒトパピローマウイルス感染が知られていますが、その後発癌に至るまでの遺伝子変異については多くの点が不明です。今回私たちは、患者さんの腫瘍組織から次世代シークエンサーによる網羅的解析を行い、遺伝子変異頻度などを明らかにしました。本研究は、日本人子宮頸癌患者を対象とした網羅的遺伝子解析として初の報告となり、がん遺伝子パネル検査などを受けた患者さんの治療反応性について、重要な参考情報になると考えられます。
Gynecologic Oncology
doi: 10.1016/j.ygyno.2020.08.020
著者の顔画像Anggraeini PUSPITASARI先生
26 APR 2021
Hibernation as a Tool for Radiation Protection in Space Exploration
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Human beings have evolved on Earth with levels of gravity and radiation that are very different from those astronauts have to face in space. Several studies show that hibernators are resistant to acute high-dose-rate radiation exposure. Recently, a method similar to hibernation, known as synthetic hibernation, has been introduced. According to recent studies, synthetic hibernation showed its ability to mitigate radiation-induced toxicity, as natural hibernation does. This review shows the performance of artificial hibernation in mitigating radiation-induced toxicity, and how it could help the next generation of astronauts in future interplanetary missions.
Life
doi:10.3390/life11010054
著者の顔画像阿部 孝憲先生
16 APR 2021
Results of Definitive CCRT for Maxillary Sinus Carcinomas with Neck LN Metastasis
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リンパ節転移陽性上顎洞癌に対する化学放射線療法の治療成績をまとめた論文です。上顎洞癌は他の頭頚部癌と違い、リンパ節転移の頻度が比較的少ない癌です。今回はリンパ節転移を有する症例についてまとめました。治療成績の数字は未だ十分とは言い難いですが今回の研究により今までの治療の限界と将来に向けた改善点を見出すことができたと思います。写真は現在私が勤める埼玉医科大学国際医療センターです。ここでの豊富な症例から論文を出すことができました。
Journal of Radiation Research
doi:10.1093/jrr/rraa120
著者の顔画像髙草木 陽介先生
06 APR 2021
PSA Dynamics after Neoadjuvant ADT and CIRT for Prostate Cancer
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神奈川県立がんセンターでの初期成績において、中間リスク群にPSA再発症例が散見されました。そのため、中間リスク群前立腺癌に対する短期ホルモン療法併用の重粒子線治療後のPSA推移をまとめたのが本研究です。PSAバウンスは46%、PSA再発は9%の症例で認めました。PSAバウンスとPSA再発の出現はいずれも年齢と関連がみられました。この研究成果を論文にしたいがために、先の初期成績の論文を作成しました。先行論文のほうが時間がかかってしまいましたが、どちらの論文も無事に掲載され安堵しています。
PLOS ONE
doi:10.1371/journal.pone.0241636.
著者の顔画像柴 慎太郎先生
27 MAR 2021
Differences in LET Affect Cell-killing and Radiosensitizing Effects
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重粒子線のLETの違いが殺細胞効果、化学療法の増感効果にどの程度影響するのかを調べた論文です。結果、低いLETでは殺細胞効果は低く、細胞の生存曲線は光子線に近づき、増感効果は高くなりました。高いLETでは殺細胞効果は高く、細胞の生存曲線は直線的になり、増感効果はほとんどなくなりました。この実験のデータの発表で2016年の米国腫瘍放射線学会に参加させていただきました。2014年から開始した実験で6年かけて論文化までたどり着けました。
Anticancer Research
doi: 10.21873/anticanres.14561.
著者の顔画像髙橋 昭久先生
17 MAR 2021
SwiNG: Simulator of the Environments on the Moon and Mars
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再び、月へ火星へと有人宇宙探査計画がすすめられています。しかし、様々な宇宙放射線が降り注ぎ、地球と異なる重力の宇宙環境にさらされる影響は十分にわかっていません。そこで、月や火星を模擬した世界初の装置を開発しました。本装置は、搭載試料が重力刺激を受ける前に2軸で3次元回転させて無重力を模擬し、さらに1軸回転させて低重力環境を模擬し、その中心軸に252Cf 中性子密封線源を封入することで低線量率放射線長期曝露環境をつくりました。ご支援頂いた方々にこの場を借りて御礼申し上げます。
Life
doi:10.3390/life10110274
著者の顔画像田代 睦先生
07 MAR 2021
Reconstruction of Dose Distributions for Fine Carbon-ion Beams using Iterative Approximation toward Carbon-knife
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細くて高強度の炭素線を微小な標的に照射する「カーボンナイフ」照射法を開発しています。1 mmサイズの微小ビームでは、もはや均一なラテラル線量分布は得られませんが、その分布を正確に知ることは実用上不可欠です。ここでは1 mm2の有感領域を持つ線量計を用いて、0.1 mmの分解能で線量分布を得る方法—逐次近似を用いた線量分布再構成法—を新規に提案し、実験にて実証しました。本手法にて、表面付近での0.2 mm程度の急峻なペナンブラや、ブラッグピーク深さ付近での1 mm程度の幅の線量分布、中心位置でおよそ90 Gy/sの高線量率ビームを定量することが可能となりました。
Physics in Medicine & Biology
doi: 10.1088/1361-6560/abc131
著者の顔画像武者 篤先生
25 FEB 2021
Carbon Ion Radiation-Induced Trismus in Head and Neck Tumors
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放射線性開口障害は食事摂取や口腔清掃などに影響を与える晩期有害事象の一つです。X線治療では、咬筋などへの咀嚼筋線量が関与すると考えられていました。重粒子線治療も同様でしたが、筋組織だけでなく骨構造線量も発症に関与していた事が判明し、筋付着部の影響も考えられました。今後の開口障害発症予防の指標となります。
Cancers
DOI: 10.3390/cancers12113116
著者の顔画像尾池 貴洋先生
15 FEB 2021
Insufficient Methodology Reporting in Radiosensitivity Assessment
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近年、論文に示された実験結果の再現性が低いことが大きな問題となっており、論文のmethods記載を標準化することの重要性が叫ばれています。本研究では放射線感受性評価のゴールドスタンダードであるコロニー形成法について1672報におけるmethods記載内容を調査し、その約1/3において線量率や実験の反復回数などの重要な実験パラメータの記載が不十分であることを明らかにしました。
Journal of Radiation Research
doi:10.1093/jrr/rraa064
著者の顔画像久保 亘輝先生
05 FEB 2021
Skin Dose Reduction by Layer-Stacking Irradiation in CIRT
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重粒子線治療の照射方法のConventional Passive Irradiation(CPI)とLayer-Stacking Irradiation(LSI)を比較した論文です。LSIはCPIを発展させたものなので、「LSIが優れていた」という当たり前の結果が書かれています。当たり前の結果でも、これまでこういう論文がなかったために新しく論文を書くときに引用に困っていました。 論理的に当然のことであっても、しっかりと形に残すということが次の発展につながるのだと思います。
Frontiers in Oncology
doi: 10.3389/fonc.2020.01396