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論文紹介

著者の顔画像髙草木 陽介先生
04 SEPTEMBER 2021
Dosimetric Comparison of Hybrid-VMAT for Stage I Esophageal Cancer
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Hybrid-VMAT法とは、1回の照射の中で、3DCRTとVMATを同時に組み合わせて照射する方法です。当初は乳癌の治療で開始され、肺癌や食道癌に応用されてきたようです。ふたつの照射方法を組み合わせる最適な割合はこれまで検討されていませんでした。既に掲載された「食道癌の重粒子線治療の線量分布の比較」の症例をそのまま利用して検証しました。そのため労力は非常に少なく、着想から掲載までに要した期間は3か月足らずでした。特に当院でこの照射方法を採用する予定はありませんが、「やってみた」的な研究も十分論文になるのが放射線治療分野の素敵なところのひとつだと思います。
Anticancer Research
doi:10.21873/anticanres.14962.
著者の顔画像佐藤 浩央先生
28 AUGUST 2021
The Role of Radiotherapy in the Era of Immunotherapy
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がん免疫反応の解明が進むにつれて、がん治療における放射線治療の役割は実は従来考えられていたよりもずっと大きかった可能性が示唆されています。本総説では、従来の放射線治療の役割(=DNA損傷)それ自体が免疫反応をも誘導するという最近の研究を中心にまとめています。また幸運にも放射線免疫学分野の第一人者であるSandra Demaria教授(Weill Cornell Medicine, New York市)に共著に加わって頂いたことで、最新の知見を幅広く総括することができたと自負しています。そして現在、実際にDemaria labにて学ぶ機会に恵まれました。ここでの刺激的な研究を群馬大に持ち帰れるよう、しっかり学んできます!
Japanese Journal of Clinical Oncology
doi:10.1093/jjco/hyaa268
著者の顔画像大須 直人先生
21 AUGUST 2021
Carbon-Ion Radiotherapy Subsequent to BRTO for Hepatocellular Carcinoma with Hepatic Encephalopathy
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入局2年目の大須です。自身初となる症例報告がpublishされました!学生や研修医の皆さんは症例報告と聞くと、「あっ、初歩的なやつね」と思うかもしれません。確かにそれは間違いではないでしょう。しかし、初歩的だから医学的価値が低いというわけではありません。どんな治療法も必ず最初の1症例があり、世界にはその1症例を探している主治医がいるかもしれません。そして、その治療法は後に世界標準になるかもしれません。はじめの一歩が自分の足跡なら嬉しくないですか?
Clinical Journal of Gastroenterology
doi: 10.1007/s12328-021-01395-6
著者の顔画像岡崎 祥平先生
14 AUGUST 2021
Carbon Ion Radiotherapy for Patients with Hepatocellular Carcinoma in the Caudate Lobe
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尾状葉(S1)は肝臓の深い位置にあり大血管が近接かつ複雑に走行しているので、尾状葉に発生した肝細胞癌は手術やラジオ波焼灼、肝動脈化学塞栓療法などの治療が行いにくいことが知られています。しかし、重粒子線治療は局在によらず治療可能であることが多く、尾状葉の肝細胞癌の有望な治療法と考えています。今回、重粒子線治療後のデータを調べ論文にまとめました。その結果、当院で治療した方は全て局所制御されており、「困ったときの重粒子線治療」として重粒子線治療の魅力を世界にアピールできたと思います。
Hepatology Research
doi: 10.1111/hepr.13606
著者の顔画像宮坂 勇平先生
07 AUGUST 2021
Pelvic Insufficiency Fractures after C-ion RT for Uterine Cancers
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子宮癌に対するX線治療後にしばしば骨盤骨不全骨折が生じることが知られていますが、これまで重粒子線治療後の不全骨折については報告がありませんでした。今回、QST病院(旧放医研病院)での症例を解析し報告しました。この論文は、熱血指導医の下、4年ほどかけて執筆しました。指導医の熱に浮かされて、リジェクト(却下)を覚悟でレビュア(査読者)の指摘にガッツリ反論したりもしましたが、最終的に無事アクセプト(受理)されました!信念を曲げないことは大事ですね!
Radiotherapy and Oncology
doi.org/10.1016/j.radonc.2020.11.030
著者の顔画像尾池 貴洋先生
31 JULY 2021
Milky Way over the Earth: Golgi Expands in Response to Irradiation
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夏の夜空を彩る天の川。ではなく、ゴルジ体。夜空の星はいい望遠鏡を使えばよく見えるのと同じで、私達の体もいい顕微鏡を使えばよく見えます。細胞内小器官ゴルジ体の放射線照射への応答については未知な部分が多いのですが、今回私達は超解像顕微鏡を用いてサブμmレベルでの空間的分布を初めて明らかにしました。共同研究者の群馬大・柴田淳史先生に感謝致します。
Medical Molecular Morphology
doi: 10.1007/s00795-020-00277-z.
著者の顔画像Sung Hyun Lee先生
24 JULY 2021
Calculation of Stopping-Power Ratio from Multiple CT Numbers Using Photon-Counting CT System
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本研究では、重粒子治療計画に必要な阻止能比(SPR)画像を、フォトンカウンティングCTで得られた複数のCT画像から計算しました。実効原子番号と電子密度を計算するための新しいアルゴリズムを提案し、SPRの結果は既存の方法と比較して理論値に近づきました(PMMAの場合、誤差は5.5%から2.0%に減少しました)。 解決すべきハードウェアの問題はまだたくさんありますが(inter-pixel charge sharing, beam-hardening effectなど)、提案された方法は将来臨床でフォトンカウンティングCTを直接使用できるようになることが期待されます。
Sensors
doi:10.3390/s21041215
著者の顔画像Li Yang先生
10 JULY 2021
DIR Algorithms for Accumulating Dose in CIRT for Pancreatic Cancer
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治療中の線量を評価する方法として、変形レジストレーション(DIR)を用いた方法が使用されるようになってきました。しかし膵臓がんのように消化管に囲まれており、かつ大きく変形する臓器においてはどのようなDIRを使用したら良いかは明らかになっていません。そこで、膵臓がんの炭素線治療における線量評価のための有効なDIRアルゴリズムを明らかにしました。この論文は中国からの留学生であるLi先生が博士課程の間に執筆した3本目の論文です。おめでとうございます!
Anticancer Research
doi:10.21873/anticanres.14836
著者の顔画像久保田 佳樹先生
03 JULY 2021
Robustness of Daily Dose and Accumulated Dose in CIRT for Pancreatic Cancer
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膵臓がんの炭素線治療の治療期間中の合算線量を世界で初めて評価しました。結果として、膵臓がん治療では肺がんや肝臓がん治療と比べると腫瘍に対して十分に線量が照射されていないケースがあることが分かりました。この結果は膵臓がん治療精度をさらに高めるために重要な情報です。この論文は私の群馬大学での最後の仕事となりました。苦しいこともありましたが、医師、医学物理士、放射線技師など様々な職種の先生方から多くのことを学ぶことができ、とても充実した9年間でした。新天地でも群馬大学放射線科で学んだことを生かして頑張っていきます!
Radiotherapy and Oncology
doi: 10.1016/j.radonc.2021.01.011
著者の顔画像大野 達也先生
25 JUNE 2021
Brachytherapy for Cervical Cancer. A Big Step from Japanese Centers.
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子宮頸癌に対する日本の小線源治療は、画像誘導技術が進歩して欧米と同等以上に優れています。ただし、日本と欧米の治療法には異なる点もあるため、独自の検証も必要とされてきました。私たちは、日本の標準的な放射線治療方法で、健康な臓器は安全な線量以下に抑えつつ、目的の線量を子宮頸癌に投与できることを多施設前向き研究で初めて明らかにしました。今後、安全性や有効性といったアウトカムが報告される予定です。続報が楽しみですね!
Journal of Radiation Research
doi: 10.1093/jrr/rraa138