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論文紹介

著者の顔画像髙草木 陽介先生
24 SEPTEMBER 2022
Evaluation of Safety for Scanning Carbon-Ion Radiotherapy in Hemodialysis Patients With Prostate Cancer
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透析患者は自尿がないため照射範囲に腸管が接近します。また便秘も多く排便コントロールにも難渋します。こうしたことから、透析中の前立腺癌患者の重粒子線治療では通常の症例よりも留意すべき点が多いと考えられます。本研究ではin-room CTも交えた解析により、透析患者においても重粒子線治療が安全に実施できていることを確認しました。それにしても、Cureus はありがたいジャーナルです。査読も速く、掲載料も基本無料、PubMedでの検索も可能、そしてopen access。症例報告から以前出したようなDeepLの研究に至るまで幅広く採択され、まさに困ったときのCureus ! という感じです。
Cureus
doi:10.7759/cureus.22214
著者の顔画像柴 慎太郎先生
17 SEPTEMBER 2022
Visualisation of Carbon Ion Beams With of Positron Emitter
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放射線治療は五感で感じることができない治療なので、何をやっているのか分かりづらく、とっつきにくいところがあるかと思います。しかし、PETやコンプトンカメラという装置を使い、重粒子線照射による体内での核反応によってできるガンマ線を観察すると、照射された部位を可視化することができます。この研究は、体内金属を有する患者に重粒子線を照射した際の重粒子線の飛程と、照射による核反応によってできるものが血流などで流れていってしまうことを観察したものです。重粒子線治療は可視化することができるんだ!ということを知ってもらえれば嬉しいです。(編者注:柴先生は湘南鎌倉総合病院でご活躍中で、写真は近郊の名勝、小田原城だそうです)
In Vivo
doi: 10.21873/invivo.12654.
著者の顔画像渋谷 圭先生
10 SEPTEMBER 2022
Prospective Study of 4 Fractions of Carbon-Ion RT for HCC (GUNMA0703)
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肝細胞癌に対する重粒子線治療の前向き研究の報告で、群馬大学で当初より行われていたものです。良好な局所効果に加えて、臨床検査値などの客観的な指標によっても肝予備能に与える影響は軽微であることが確認されました。肝臓領域では放射線治療はマイナーですので、放射線治療以外の専門誌に投稿することを心がけています。査読者最大5人×4回のreviseを経ての掲載でしたが、多くの先生方にご協力いただいた成果を形にすることができました。
Liver Cancer
doi: 10.1159/000520277.
著者の顔画像Ankita Anil Nachankar先生
03 SEPTEMBER 2022
What Is the Risk Dose for Intraocular Hemorrhage in Carbon Ion Radiotherapy?
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重粒子線で頭頸部領域を治療する際、病変が広範囲に進展している場合が少なくありません。中でもがんが目の周囲へ進展した症例では、治療後に失明を含む目の有害事象を生じるリスクが高まります。本研究では、当院で重粒子線治療を受けた患者さんの治療計画画像と治療後のMRI画像を比較検討することで眼内出血のリスク線量を解析しました。本研究成果は目に近接した病変を治療する際に許容される線量の指標となります。
Radiotherapy and Oncology
doi:10.1016/j.radonc.2022.02.032
著者の顔画像Yuan Zhou先生
27 AUGUST 2022
Robust Angle Selection in Particle Therapy
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Particle therapy is sensitive to changes in anatomical structure, from which the dose distribution may deteriorate. Robust beam angle selection plays a crucial role in mitigating inter- and intra-fractional variation including daily patient setup uncertainties and tumor motion. With the recent development of a rotating gantry, angle optimization has gained increasing attention. In this paper, we summarized the findings on robust beam angle in particle radiotherapy, with a focus on different tumor sites.
Frontiers in Oncology
doi:10.3389/fonc.2021.715025.
著者の顔画像髙草木 陽介先生
20 AUGUST 2022
Radiotherapy in Elderly and Younger Patients with T4 Esophageal Cancer
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隣接臓器への浸潤を伴うT4食道癌に対する化学放射線療法の治療成績をまとめました。当初は全症例で解析したところ、「局所のCRが予後規定因子である」というありきたりな結果になってしまったので、対象を70歳以上の高齢群と70歳未満の若年群に分けて両者の成績を比較することにしました。高齢群でも若年群でも治療成績や毒性に差がないことが示されました。全症例のみでの解析のままであれば、もしかしたら論文化は難航したかもしれません。同じ結果でも切り口を変えれば新規性が生まれ論文になる、ということを実感した研究でした。
Anticancer Research
doi:10.21873/anticanres.15691
著者の顔画像Li Yang先生
13 AUGUST 2022
Modeling of Post-Carbon Ion Radiotherapy Dermatitis in the Head and Neck Regions
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We successfully developed a model that predicts the probability of Grade 2-3 acute radiation dermatitis in patients with head and neck cancer treated with carbon ion radiotherapy. We found that the performance of prediction model is comparable in the case where biological- and physical-doses were employed, with S40 Gy (RBE) and S20 Gy, respectively, being the highest. Our model will help optimize the treatment plan or skin care management.
International Journal of Radiation Oncology*Biology*Physics
doi:10.1016/j.ijrobp.2022.03.002
著者の顔画像小此木 範之先生
06 AUGUST 2022
Phase Ib Study of Durvalumab (MEDI4736) in Combination with Carbon-Ion Radiotherapy and Weekly Cisplatin for Patients with Locally Advanced Cervical Cancer (DECISION study): Study Protocol for a Prospective Open-Label Single-Arm Study
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医師主導治験を始めました。自分が信じる、まだ見ぬ世界を見るためです。そんな決意と覚悟によって、DECISION studyと名付けました。基礎実験、知財の申請、企業との交渉、膨大な書類仕事、PMDAとの折衝、治験の実施のための会議に次ぐ会議。個人の夢を実現するためにひたすら走っていたら、想像以上に多くの人に支えてもらっている事に気づきました。ただ客観的にみると、所詮、第Ⅰ相試験です。Evidence-based medicineの世界ではほんの入り口です。それでも、30代で情熱を注いだ仕事として、ちょっと誇りをもっています。
BMJ Open
doi: 10.1136/bmjopen-2021-056424.
著者の顔画像小此木 範之先生
30 JULY 2022
Advantage and Outcomes of CT-Based Transvaginal Hybrid Brachytherapy Performed Only by Sedation without General or Saddle Block Anesthesia
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少し足しただけでグッとに良くなる事が世の中にはあります。あるいは何かをしない事で、結構に楽になることもあります。何が最適であるかは、環境によって変わり得るものです。MRIよりもCTの方が簡便で、アプリケータを追加した方が良く治り、全身麻酔や腰椎麻酔をしなくて済むなら、そっちのほうが良いよね。そんなお話です。当たり前にやっている診療内容も、論文にしておくと、もしかしたら遠い国の誰かが参考にしれくれるかもしれません。科学の分野に「ちょい足し」です。
Cancer Reports
doi: 10.1002/cnr2.1607.
著者の顔画像岡本 雅彦先生
23 JULY 2022
Pembrolizumab after Carbon Ion Radiation Therapy for Alveolar Soft Part Sarcoma Shows a Remarkable Abscopal Effect : A Case Report
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ASPSという疾患をご存知でしょうか? As soon as possible…ではなく、胞巣状軟部肉腫と訳される超希少な軟部肉腫です。軟部肉腫はそれ自体が10万人あたり2-3人という発生率の希少がんですが、ASPSは軟部肉腫のさらに1%以下の発生率です。通常の放射線には抵抗性を示し、有効な化学療法も少ない状況で、この方も海外から治療を求めて当院に来院されました。重粒子線の強力な局所効果に加えて、免疫チェックポイント阻害剤との併用により、非照射病変でのabscopal効果増強が感じられた症例でした。
Advances in Radiation Oncology
doi: 10.1016/j.adro.2021.100893
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