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論文紹介

著者の顔画像土田 圭祐先生
23 OCTOBER 2021
Robustness of Scanning C-ion RT for Prostate Cancer
論文画像
同室CTを用いて前立腺癌に対するスキャニング法重粒子線治療の線量分布再現性を検討し、重粒子線治療の良好な再現性と注意点を述べています。高精度・ピンポイント治療になればなるほど「狙った通りに当てる」ことができているかを検討し、改善につなげていくことはとても重要であると考えています。また、神奈川県立がんセンターで、大学院研究として書かせていただいた論文になります。ご指導いただきました蓑原伸一先生はじめ諸先生方に深く感謝申し上げます。
Journal of Applied Clinical Medical Physics
doi: 10.1002/acm2.13275
著者の顔画像武者 篤先生
22 OCTOBER 2021
What Is This Air Sign of Carbon-Ion Radiotherapy Plan CT??
論文画像
頭頚部重粒子線治療の治療計画CTにて、広範囲におよぶ含気像が偶然発見されました。原因は数日前の「親知らず」を抜歯の際に使用した歯を削る装置(エアタービン)から組織内への空気流入が考えられました。重粒子線はX線に比べ空気の影響を受けやすい為、含気像消失を再撮影にて確認した後に重粒子線治療に臨みました。口腔清掃性の向上を目的とした抜歯における、教訓的症例として報告しました。
OTO Open
DOI: 10.1177/2473974X211004527
著者の顔画像岡田 光平先生
12 OCTOBER 2021
CT-based IGBT for Cervical Stump Cancer
論文画像
子宮筋腫などの良性疾患に対して体部のみを切除する膣上部切断術が行われた患者において、残存した子宮頸部に癌が発生することがあり、子宮頸部断端癌と呼ばれます。子宮体部がないことにより消化管が腫瘍に近接しやすく、従来のA点処方による小線源治療では消化管への線量が過剰になるリスクがあります。今回は、CTベースのIGBTを用いることで、そのような子宮頸部断端癌においても消化管線量を制約内に抑えつつ安全に治療を行うことができたという内容で症例報告を発表しました。
Cureus
doi:10.7759/cureus.13789
著者の顔画像小林 大二郎先生
02 OCTOBER 2021
CyberKnife for Metastatic Adenoid Cystic Carcinoma of the Lung
論文画像
腺様嚢胞癌は重粒子線治療で良好な局所効果が得られますが、長期の経過では遠隔転移の制御が課題でした。本症例では重粒子線治療後に3ヶ所の肺転移をきたしています。CyberKnifeで中心線量の増加と周囲肺線量の低減を両立させることで重篤な有害事象なく肺病変を制御することを実現しました。この治療は多くの関連病院と複数のmodalityを有する群馬大学だからこそできたコラボ治療です。今後も各施設の強みを活かして患者さんの治療に還元できればと思います。
Journal of Medical Case Reports
doi: 10.1186/s13256-021-02781-x
著者の顔画像柴 慎太郎先生
25 SEPTEMBER 2021
Usefulness of Bioabsorbable Spacer Placement in C-ion RT
論文画像
スペーサー留置の有用性を当院での吸収性スペーサー1例目の方のデータを用いて報告しました。症例は仙骨部脊索腫の方で、直腸線量のDVHパラメーターをスペーサー留置前後で取得・比較することで、スペーサーを留置することで腫瘍に十分な線量を投与しながら直腸も守れるという結果が得られました。また、バーチャル内視鏡を用いて、直腸線量を視覚的にわかりやすく捉えられるようにしています。消化管が近接していてもスペーサーを留置すれば安全で根治性の高い治療ができます。また、スペーサーの安全性についても治療後に体内に吸収されるので人工物が体内に残らないという点で安全であろうと考えられます。
Journal of Radiation Research
doi: 10.1093/jrr/rrab013
著者の顔画像柴 慎太郎先生
18 SEPTEMBER 2021
Impact of Carbon Ion Radiotherapy on Inoperable Bone Sarcoma
論文画像
切除不能骨原発肉腫に対する重粒子線治療の成績をまとめました。局所制御率は脊索腫で9割、脊索腫以外の肉腫で8割と非常に良好な結果で、切除不能骨原発肉腫の根治的治療の選択肢の一つとなることが示唆されました。また、DVH解析では、粒子線のシャープな線量分布から、通常のVxではなくV<xという、ターゲット内でXGyが照射されていない体積と再発の関係に注目しました。
Cancers
doi:10.3390/cancers13051099.
著者の顔画像柴 慎太郎先生
11 SEPTEMBER 2021
C-ion RT for Oligometastatic Colorectal Cancer in the Liver or Lung
論文画像
少数転移性腫瘍に対する局所治療が予後を延長するという報告が増加し、日本国内においてもオリゴ転移に対してSBRTが行われるようになってきています。 オリゴ転移に対する重粒子線治療の報告は少ないので、今回大腸癌の肝臓、肺のオリゴ転移に対する重粒子線治療の成績を報告させていただきました。症例数はあまり多くありませんが、良好な局所効果が得られ、腫瘍径が5cm以上のSBRTでは適応にならないような腫瘍でも重篤な有害事象を認めず安全な治療が可能でした。
Anticancer Research
doi: 10.21873/anticanres.14967.
著者の顔画像髙草木 陽介先生
04 SEPTEMBER 2021
Dosimetric Comparison of Hybrid-VMAT for Stage I Esophageal Cancer
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Hybrid-VMAT法とは、1回の照射の中で、3DCRTとVMATを同時に組み合わせて照射する方法です。当初は乳癌の治療で開始され、肺癌や食道癌に応用されてきたようです。ふたつの照射方法を組み合わせる最適な割合はこれまで検討されていませんでした。既に掲載された「食道癌の重粒子線治療の線量分布の比較」の症例をそのまま利用して検証しました。そのため労力は非常に少なく、着想から掲載までに要した期間は3か月足らずでした。特に当院でこの照射方法を採用する予定はありませんが、「やってみた」的な研究も十分論文になるのが放射線治療分野の素敵なところのひとつだと思います。
Anticancer Research
doi:10.21873/anticanres.14962.
著者の顔画像佐藤 浩央先生
28 AUGUST 2021
The Role of Radiotherapy in the Era of Immunotherapy
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がん免疫反応の解明が進むにつれて、がん治療における放射線治療の役割は実は従来考えられていたよりもずっと大きかった可能性が示唆されています。本総説では、従来の放射線治療の役割(=DNA損傷)それ自体が免疫反応をも誘導するという最近の研究を中心にまとめています。また幸運にも放射線免疫学分野の第一人者であるSandra Demaria教授(Weill Cornell Medicine, New York市)に共著に加わって頂いたことで、最新の知見を幅広く総括することができたと自負しています。そして現在、実際にDemaria labにて学ぶ機会に恵まれました。ここでの刺激的な研究を群馬大に持ち帰れるよう、しっかり学んできます!
Japanese Journal of Clinical Oncology
doi:10.1093/jjco/hyaa268
著者の顔画像大須 直人先生
21 AUGUST 2021
Carbon-Ion Radiotherapy Subsequent to BRTO for Hepatocellular Carcinoma with Hepatic Encephalopathy
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入局2年目の大須です。自身初となる症例報告がpublishされました!学生や研修医の皆さんは症例報告と聞くと、「あっ、初歩的なやつね」と思うかもしれません。確かにそれは間違いではないでしょう。しかし、初歩的だから医学的価値が低いというわけではありません。どんな治療法も必ず最初の1症例があり、世界にはその1症例を探している主治医がいるかもしれません。そして、その治療法は後に世界標準になるかもしれません。はじめの一歩が自分の足跡なら嬉しくないですか?
Clinical Journal of Gastroenterology
doi: 10.1007/s12328-021-01395-6
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