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2016年

海外留学報告:吉田 大作先生(マサチューセッツ総合病院)

海外渡航記

 皆様こんにちは。H15(2003)年卒の吉田です。2016年4月から米国ボストンのMassachusetts General Hospital(MGH)に留学しております。留学に当たり、中野教授をはじめとした医会の皆様には多大な御支援頂いております。この場をお借りして、心より感謝申しあげます。

 こちらに来て1か月ちょっとほどしか経っておらず、“グローバルリーディング”な皆様にお話しできるような大層な話はまだないです。にも関わらず執筆依頼が来たのは、報告書としての原稿依頼なのでしょう。たぶん。

 さてこの1か月ですが、アメリカでの新生活がようやく落ち着いてきた所です。入国して日常生活のセットアップを始めました。住居は日本にいるうちに現地の方にお願いし、3月より確保しました。場所はブルックライン市というボストン市の西側に位置する所です。一般に“ボストン”と呼ばれるGreat Bostonに含まれる地域で、我が家はその中でも東側にあり、ほとんどボストン市といったところです。歩いて10分弱のところにMLBのRed Soxの本拠地、フェンウェイ・パークがあります。またHarvard Medical SchoolやBeth Israelなどが集中するLongwood medical areaにも近い、アカデミックな地域でもあります。このため医学研究者を中心とした日本人が多数居住しており、小学校には英語が十分に出来ない生徒をサポートするスタッフが常駐しています。手厚い対応が期待でき、安心して子供を学校に行かせることができます。

 さてそれでは本題の、留学についてです。私が現在所属しているCellular & Molecular Radiation Oncology Laboratoryは、以前若月優先生や河村英将先生、神沼拓也先生が留学された研究室です。研究室は更に3つのグループからなり、私のグループのPrincipal Investigator (PI)はKathryn D Held准教授という女性の先生です。PIとは聞き慣れない言葉かと思います。こちらでは、assistant professor以上は、自分で研究費(grant)を申請ができ、独立したポジションです。研究室、教室を運営し、技官やポストドクを雇う権限が与えられ、自分のアイディアで研究を進めていくという意味で主任研究者、PIと呼ばれています。つまり研究面において、Full Professor(教授)、Associate Professor(准教授、講師)とassistant professorは対等です。因みに、assistant professor以上の教授職をファカルティと呼びます。アメリカの研究室では、ボスであるPIの下に直接ポスドクや大学院生が付くことになります。ですので、私がLoeffler教授と直接関わることはありません。Held先生の研究テーマは、in vitroでの放射線によるバイスタンダー効果です。培養細胞を使い、放射線を照射し、それに対する細胞の反応を見る、という研究です。実際の実験手技としては、ある程度限られたものだけを使っています。しかしながら、なにぶん大学院を出てからこの数年全く基礎実験に触れず、ブランクが大きいため、それらのテクニックを習得、確認している所です。今後は神沼先生の実験を引き続いてやっていく予定です。どこまでやれるか分かりませんが、できるだけのものを手に入れて、皆さんに還元できるようにしたいと思っております。

 ところで執筆に当たり、過去メルマガに掲載された海外留学記を見られる範囲で目を通してみました(放射線科ホームページで見られます)。しかしあれですね。みんな真面目ですね。まあふざける要素が無いといえば無いので当然ですが。ただ読んで行くと、各々皆さん個性を感じますね。本人知っているのもありますけど。白井先生は“真面目”って感じでいろんな方面に気を使いながら書いている感じが伝わります。若月先生は流石に教授になられる方だけあって、立派な留学されていたことが伝わります。他意はないです、別に。河村先生は不思議青年らしく、なんだか叙情的な文章を書きますね。アンニュイな気分にさせられます。田巻先生は、放射線治療に対する熱さを感じますね。仕事の内容の素晴らしさに、こちらも誇らしくなります。本人の“天然っぷり”が滲み出ていないのが残念な限りです。岡本先生はそつがないですよね。読みやすいし、頭の良さを感じます。吉本先生は研究歴も長く内容の充実も流石ですが、何より3回も書いているんですね、留学記。メルマガ担当者が頼みやすかったのでしょう。人柄が感じられます。そして尾池先生。素晴らしい。一生付いて行こうと決めました。JASTRO Newsletterも楽しみです。そして加藤先生。アウトバーンについての詳細なレポート。もはや異次元です。結局ドイツで何をしていたのでしょうか?謎のままです。

それではまた。