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2017年

近況報告:宮坂 勇平先生(放射線医学総合研究所病院)

レジデント便り

(はじめに)
皆様、こんにちは。医師4年目(入局2年目)の宮坂勇平と申します。昨年4月に群馬大学大学院腫瘍放射線学教室に入局し、昨年10月から放射線医学総合研究所病院(放医研)で勤務しています。また、入局と同時に大学院博士課程(リーディングプログラム)に進学し、研究活動を行っています。この度、近況報告の機会を頂きましたので、簡単ではありますが報告致します。


(放医研について)
昨年、放医研では大きな枠組みの再編があり、高崎量子応用研究所、関西光科学研究所、那珂核融合研究所、六ヶ所核融合研究所とともに、量子科学技術研究開発機構(量研機構;QST)の一員となりました。また、今年は創設60周年という節目を迎えます。

放医研では昨年、第5世代量子線治療装置(量子メス)の開発計画が発表されました。具体的には、重粒子線治療装置の大幅な小型化・低コスト化と、さらに高い治療効果を目指したマルチイオン照射の開発に関して、住友重機械、東芝、日立製作所、三菱電機と包括的協定を結んだことが各種メディアに取り上げられました。今年5月からは回転ガントリーを用いた重粒子線治療の臨床試験も始まりました。最先端の環境で仕事をすることは非常に得難い経験だと感じています。

私は、小此木先生のご指導のもと、主に婦人科腫瘍全般の診療に携わっています。臨床はもちろんのこと、J-CROS(Japan Carbon-Ion Radiation Oncology Study Group)の分科会などにも参加させて頂き、重粒子線治療の現状や将来の展望について広く学ぶ機会を頂き、大変勉強になっています。


(大学院研究について)
大学院では、子宮頸部腺癌に関するテーマを頂き、吉本先生のご指導のもと研究活動に取り組んでいます。分からないことばかりの状態からのスタートでしたが、多くの先生方のサポートを頂き、研究を進めています。現在、放射線科ではほとんどの若手医師が大学院に進学していますので、大学院生同士で気軽に相談し合える環境にも大変助けられています。

リーディングプログラムでは、海外の著名な先生方からレクチャーを受ける機会が多く、その度にとても良い刺激を受けています。また、昨年夏には ASTRO(American Society for Radiation Oncology)に参加し、今年は、小此木先生のご指導のもとPTCOG(Particle Therapy Co-Operative Group)で発表を行うなど、国際学会に参加・発表する機会を頂き、自然とグローバルな視点でがん治療を考えることが多くなったと感じています。


(おわりに)
このように充実した環境で仕事が出来ていることは大変得難いことであり、中野教授をはじめとした先生方のお陰であると思います。ありがとうございます。

まだまだ経験の浅い自分にとっては毎日が学びの機会ですので、今後とも精一杯、臨床に研究に励んでいきたいと思います。