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2019年

近況報告:小松秀一郎先生 (埼玉医科大学国際医療センター)

レジデント便り

 医師4年目、入局2年目の小松秀一郎と申します。入局初年度より埼玉医科大学国際医療センター放射線腫瘍科でシニアレジデントとして臨床業務に携わっています。もともと麻酔科を志望していましたが、群馬大学医学部附属病院初期研修2年目に同期の妻の勧めで放射線科をローテートしたところ、この科の魅力に取り憑かれて入局しました。放射線治療はがん治療の3本柱(現在は免疫治療も合わせて4本柱でしょうか)として、根治治療から緩和治療まで幅広い疾患・病態に関わっています。とてもやり甲斐に満ちた診療科です。

 私の赴任した埼玉医科大学国際医療センター放射線腫瘍科は年間治療件数が千数百件という国内有数の施設です。高精度照射としては強度変調回転放射線治療(VMAT)、Cyber Knifeによる定位照射を実施しています。子宮頸がんの腔内・組織内照射および前立腺がんの高線量率組織内照射を含む小線源治療件数は日本トップクラスを誇ります。同門の加藤眞吾教授、野田真永教授、阿部孝憲講師の指導のもと、放射線治療および放射線生物学について濃密な経験を積んで臨床の知識・スキルを磨くことができました。放射線治療の教科書レベルの基礎はもちろん、最新論文にアクセスして治療内容に反映させる”Evidence Based Medicine”や長年の臨床に基づいた“Experience”について教えていただくこともできました。学会発表および臨床論文の指導についても熱心で、初年度に日本放射線腫瘍学会にて発表させていただきました。現在はレトロスペクティブな臨床成績のデータで論文を執筆中です。

 また、入局と同時に社会人大学院に進学し、大学院1年次の9月には当時米国立衛生研究所(NIH)に留学されていた尾池貴洋先生が指導教官になってくださり、以降は「Deep learning技術を使用した放射線治療」をテーマに研究を進めてきました。先日、これまで頑張ってきた内容(Deep learning技術をコアとするプログラム開発とその検証)を尾池先生の指導のもと論文にまとめ投稿しました。現在ではDeep learning技術と従来型機械学習をベースとした放射線治療アルゴリズムの構築の研究に没頭しています。研究はとても楽しくわくわくする世界です。今後もひとつひとつ成果を出せるように頑張っていきたいと思います。

 2019年4月からは群馬大学医学部附属病院に異動となる予定です。X線治療に比べて線量分布と局所効果に優れる重粒子線治療に携わるのが楽しみです。また、チームでより一層研究を進めていけるように励んでいきたいと思います。

 至らぬところの多い若手でありますが、今後ともご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします。