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2020年

大学院修了報告:宮坂勇平先生(群馬大学)

レジデント便り

 こんにちは、医師6年目、入局4年目(大学院4年)の宮坂勇平です。この度、Journal of Radiation Researchに論文を発表する運びとなり、これを学位論文として大学院修了の見込みとなりましたので、この場をお借りして報告致します。

 今回発表した論文
Treatment outcomes of patients with adenocarcinoma of the uterine cervix after definitive radiotherapy and the prognostic impact of tumor-infiltrating CD8+ lymphocytes in pre-treatment biopsy specimens: a multi-institutional retrospective study (https://doi.org/10.1093/jrr/rrz106)
は、子宮頸部腺癌の放射線(エックス線)治療成績を遡及的に解析するとともに、治療前生検検体を免疫染色法をもちいて評価し、腫瘍巣内に浸潤するCD8陽性リンパ球(CD8+TIL)が予後良好因子であることを明らかにしたものです。

 ご存知の通り、子宮頸部腺癌は子宮頸癌全体の2割程度と希少で、特に放射線治療に関する報告は乏しいですが、同門の先生方がお勤めの群馬県立がんセンター、量研機構QST病院(放射線医学総合研究所病院)と群馬大学で多施設共同研究とすることで、まとまった数の治療成績を報告することが出来ました。また、同門の先生方や、群馬大学病態病理学講座の先生方のご協力のもとに、各施設の生検検体を評価し、CD8+TILが予後良好因子であるという知見を得ることが出来ました。この結果は、近年脚光を浴びる、放射線治療と免疫療法の併用の有用性を支持するものと考えられます。

 この研究を行うにあたっては、群馬がんセンターの安藤謙先生、江原威先生(現、杏林大学)、QST病院の小此木範之先生には、各施設での症例調査、倫理審査などで、多大なご協力を頂きました。また、指導教員の吉本由哉先生、研究遂行のサポートをして頂いた、村田和俊先生、野田真永先生、神沼拓也先生、研究全体の統括、発表指導をして頂いた中野隆史先生、大野達也先生、をはじめ、多くの先生方にご支援を頂きました。この場をお借りして感謝申し上げます。同時に、この研究に関係する患者さんやご家族の、研究に対するご理解に深く感謝したいと思います。

 これから研究をする先生や、放射線科に入局を考えている先生は、私の事例をひとつの参考にして頂ければと思います。研究を行うには様々なハードルがありますが、この医局にはそれを乗り越えるためにサポートして頂ける土壌があると思います。実際、上述の先生方の他にも、世代の近い先生からアドバイスを頂いたり、科内でのディスカッションからアイディアを得たり、研究の支えになった場面が数多くありました。(もちろんこれは研究に限った話ではありません。)

 ひとつの研究を形にすることが出来、まずは安堵しておりますが、明日のがん治療をより良いものとするために、これからも積極的に研究に取り組みたいと思います。今後ともご指導、ご鞭撻賜りますようよろしくお願い致します。