学会報告記:今村文香先生(群馬大学)
空風が吹き始め冬が到来し始めた今日この頃ですが、いかがお過ごしでしょうか? 先日、中国の深センで開催されたFederation of Asia Organizations for Radiation Oncology(FARO)に参加しましたので報告させていただきます。
FARO Meetingはアジア地域の放射線学会であり、今年で4回目の開催となります。世界全体の人口のうち約60%はアジア地域が占めており、今後アジア全体で高齢化が進むためがん罹患率、死亡率共に上昇すると予想されます。これらの背景から、FAROは学術面での交流目的だけでなく、アジア全体でがん治療が受けられるよう放射線腫瘍医の育成や治療施設の拡張も目的としています。
開催地である深センは中国南東に位置し、香港に隣接した地域です。元々港町でしたが、1978年中国で初めて経済特区に指定されて以来、経済成長が著しい地域です。例えるなら日本が鎖国時代を終了してから高度経済成長期に至るまでの過程をわずか数十年間で成し遂げる程急速に成長しています。学会会場であるLa Waterfront Hotelは海沿いに位置しており、本来であればリゾート地で賑わう場所でしたが、FARO開催2ヶ月前から沿岸工事が始まり、学会期間中終日工事作業音が鳴り響いていました。
今回の学会では群馬大学医学部附属病院から久保亘輝先生、松井利晃先生、私の3名が参加しました。私は今回が初めての学会発表であり、かつ英語発表だったためAbstract作成段階から緊張していました。発表前に何度も練習をしましたが、発表途中で頭の中が真っ白になる程緊張しましたが、ジェスチャーを用いつつ何とか発表を終えることができました。他国の発表内容は全て理解することは困難でしたが、自分の担当領域分野に関する新たな見解を得られるました。 FARO最終日では、北京大学の先生から現地の方の案内で深セン市内を観光する機会を得られ、深センの街並みを知ることができました。また、FARO運営に携わった北京大学レジデントの先生方とは現地の人たちの会話を英語に翻訳していただき感謝しております。
最後に、今回の発表で指導していただいた久保先生、大野達也教授に感謝申し上げます。おかげさまでTravel awardを受賞することができました。今回の経験を通じて日々研鑽を積み重ねようと改めて決意しました。