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2017年

近況報告:高草木 陽介先生(うわまち病院)

同門の先生より

 皆様こんにちは。卒後9年目となりました高草木陽介です。

 私は昨年度より神奈川県は横須賀市の横須賀市立うわまち病院高精度放射線治療センターで勤務しております。当院は昨年度より群馬大学の関連病院となったばかりで、ご存知無い方も多くいらっしゃるかと思いますので、当院の紹介をさせて頂きます。

 当院は横須賀市の中心部から徒歩で10分程の緩やかな丘の上に位置する、417床をもつ臨床研修指定病院です。地域の中核病院としての役割をもち、3次救急を担う救命救急センターや心臓血管センター、小児医療センターなどの様々なセンター機能を有します。私の勤務する高精度放射線治療センターもその1つです。

 当センターは2015年2月に新規開設され、ようやく3年目を迎えました。治療機はaxesse(エレクタ社)が導入され、通常の3次元原体照射はもちろんIMRT, VMAT, 定位放射線治療といった高精度治療の実施が可能です。前東海大学放射線科教授の大泉センター長のもと、専任の放射線技師3名、非常勤物理士1名、看護師1名で治療を行っております。2016年度の新患数は158名とまだ不十分ではありますが、院内カンファレンスに積極的に参加することで、院内からの紹介患者は2015年度の約2倍に増えています。高精度治療については特に昨年度はIMRT, VMATの拡充に力を入れ、前立腺癌のほか、腹骨盤内腫瘍や脳腫瘍に適応をひろげ2016年度は35件(2015年度8件)の治療を行いました。また、定位放射線治療についても脳10件、肺10件と徐々に件数を伸ばしています。

 人口40万人を抱える横須賀市ですが、常勤の放射線腫瘍医は当センターを含めて3人しかおりません。横浜市など近隣の地域に患者が流れていることも考えられますが、まだまだ潜在的に患者はいるでしょうから、放射線治療を必要とする患者に行き届いていないことが推測されます。当院に赴任するまで私は群馬県内での勤務が多く、患者は待っていても紹介されてくるように錯覚していましたが、それはこれまで先生方が尽力されてきた結果であり、単に恵まれた環境にいただけなのだと気付かされました。ようやく院内では徐々に浸透してきているように感じておりますが、今後は院外との連携強化に努め、さらに当センターの治療を充実させたいと考えております。

 また、私自身の近況としましては、昨年度はおかげさまで無事に放射線治療専門医を取得することができました。大学院は、「重粒子線治療における正常組織反応の定量的評価法に関する基礎的臨床的研究」を主題とし、論文を投稿中で、今年度の卒業を目指しております。

 近況報告は2回目となりました。初回は入局のご挨拶だったと記憶しています。あれから7年がたち、少しずつ出来るようになってきたことも増えてきているように思いますが、まだまだ学ぶことが沢山あります。引き続きご指導のほどお願い申し上げます。