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2018年

着任挨拶:白井 克幸先生(自治医科大学附属さいたま医療センター)

同門の先生より

 この度、2017年11月1日付で、自治医科大学附属さいたま医療センター 総合医学第1講座(放射線科)教授を拝命いたしました。私は平成15年に群馬大学を卒業し、同年群馬大学腫瘍放射線学教室に入局した、いわゆる中野教室第二期生であります。まだまだ若輩者である私がこのような大役を頂戴できたのは群馬大学ならびに同門会の先生方のサポートのおかげであると心より感謝しております。

 私は2011年オハイオ州立大学総合がん研究所の2年3ヶ月に渡る研究留学より帰国したのち、群馬大学にて助教として勤務し、重粒子線治療やIMRT、SBRTを中心とした高精度治療を6年間担当させていただきました。特に肺癌、頭頸部腫瘍は齋藤淳一准教授のご指導のもと、数多くの重粒子線治療の臨床試験に関わらせていただき、大変勉強になりました。また、重粒子線治療の初期効果や治療成績については、国内外の学会発表や英語論文を作成させていただきました。このような貴重な経験を積ませていただき、また群馬大学の先生方からは多くのご指導をいただき、本当に感謝しております。

 現職である自治医科大学附属さいたま医療センターでは、Elekta社の最新鋭ライナック機Versa HDTMが2017年5月より導入されており、VMATと呼ばれる回転IMRTも施行可能です。現在、3次元治療計画(3DCRT)や画像誘導放射線治療(IGRT)などの放射線治療を中心に行なっておりますが、来年度以降(2018年4月〜)には高精度治療(IMRTやSBRT)が行えるよう、その運用や施設基準の準備を行なっております。まだまだ群馬大学のレベルには遠く及ばない状態ではありますが、物理士・治療技師・看護師の皆さんと、忙しいながらも大変やりがいのある充実した日々を過ごしております。

 最後にメルマガを読まれている若い先生方や学生さんに向けて一言書かせていただきます。現在の当センターでの私の業務は、「臨床」をメインにやらせていただいておりますが、自治医科大学本院の若月優教授とも協力させていただき、「研究」「教育」についても推進していきたいと思っております。今後の放射線治療のさらなる発展のためには、若い放射線治療医の育成は最重要課題です。私は群馬大学にて中野隆史教授をはじめ諸先輩方から、「臨床の基本」から、「最先端の研究の考え方」まで、そのすべてを叩き込んでいただきました。今度は私が後輩の先生方に、群馬大学で培った「教え」を伝える番だと思っております。そして、研修医やシニアレジデントの先生方にとって、魅力のある放射線治療の研修施設にしたいと思っております。放射線治療技術は今なお発展を続けており、放射線腫瘍学は大変将来性のある学問であると私は思っています。日本の放射線治療を担う同士として、ぜひ一緒に仕事ができればと思います。どうぞよろしくお願いします。