【 放射線治療の現状 】

現在日本人の死因第1位は“がん”(悪性新生物)で,日本人の3人に1人は“がん”で亡くなるとされています.死因の2位,3位にあたり,“がん”に匹敵する死因である心臓・脳血管疾患については,医学の進歩によりその増加には歯止めがかかってきており,予防治療が重要視される時代になってきているのは,周知のことと思います.一方で,“がん”の死亡率は,未だ上昇しており,がん治療は国家プロジェクトとして最重要課題に挙げられています. 放射線治療は,海外(アメリカ)では,がん患者の60%に実施され,がん治療の中心的役割を果たしています.また,近年の目覚ましい技術革新によって放射線治療の技術的可能性が飛躍的に高まっており、それらの高度な技術を臨床の場に生かすべく,様々な視点から世界的に日々研究が行われ、実際の臨床に使われるようになってきています.治療の複雑化に伴い、より高度な専門知識を持った放射線治療医が必要とされています。今までの日本では,海外に比べると放射線治療が実施される頻度が少なかったことと相まって、放射線治療医の需要は全国的に飛躍的に高まっています. また,近年,各臓器への専門分化が進んできた医療業界において,あらゆる“がん”に対する治療を担ってきた放射線腫瘍医は,全身疾患として“がん”を捉えられる数少ない専門家であり,集学的治療が必要とされる臨床の場で,コンダクターとしての役割も果たしています.

死因日本人の死亡原因の変化 資料:厚生労働省大臣官房統計情報部 「人口動態統計」

【 当科の診療ネットワーク 】

放射線治療も多岐に渡りますが,当科医師は大学病院・関連協力病院で緊密に連携し,粒子線治療やサイバーナイフ、トモセラピーといった様々なモダリティのなかから患者さんに最適な放射線治療を提供しております.また,群馬県近隣各県の県立がんセンターの放射線治療部門の責任者は当教室出身者がつとめており,広範囲ながん地域ネットワークを構築しております.また,若手医師はこのようながんセンターや都内・群馬県内の基幹病院をローテート研修することで,早くから幅広いがん放射線治療が体得できる教育システムが形成されています。

【 重粒子線治療相談 】

2010年に群馬大学には世界で5番目、大学病院に併設されたものとしては世界で2番目の重粒子線治療(炭素イオン線治療)施設が設置されました。大学病院に併設されているメリットを活かして、外科、内科などの各分野のがん治療スペシャリストと密な連携をとった重粒子線治療を提供しています。また国内の重粒子線治療施設とも連携し、より均質で安全な治療が出来る体制を築いています。

群馬大学医学部附属病院では,「重粒子線治療」に関する相談窓口を開設しています。 ご相談を希望される方は,あらかじめ電話にて予約の上,附属病院においてご相談をうけてください。

詳細は重粒子線医学センターのホームページ をご参照ください。