IAEA大使団 群馬大学視察報告

IAEA大使団 群馬大学放射線医療施設を視察
 去る2015年3月11日、国際原子力機関(International Atomic Energy Agency:IAEA)の大使団が群馬大学の重粒子線医学センター及び放射線治療施設を視察されました。今回視察されたのはオーストリアのウィーンにあるIAEA本部に各国の代表として派遣されている大使の方々です。今回は日本における最先端の原子力活動、特に放射線の医療分野への応用を中心とする原子力の平和的利用の取組み、及び東京電力福島第一原子力発電所事故後の取組みについて理解を深めてもらうことを目的として、外務省がIAEAの理事国6か国(イギリス,ケニア,ナイジェリア,インド,チリ,アメリカ)の大使等7名による日本の原子力関連施設の視察に群馬大学が協力したものです。3月11日朝、東京を出発した大使一行を群馬大学重粒子線医学センターでお迎えするところから今回の訪問が始まりました。まず群馬大学腫瘍放射線学中野隆史教授より開会の挨拶が行われ、高田邦明学長とより歓迎の挨拶がありました。その後、放射線診断核医学の高橋綾子講師より放射線診断について、腫瘍放射線学准教授斉藤淳一先生より放射線治療について講義が行われました。講義後には大使の方々から非常に熱心な質疑が寄せられました。質疑応答の後は、大学病院中央診療部にて画像診断施設及びX線の放射線治療施設の見学を行い、最後に重粒子線医学センターにて加速器室及び治療室の見学を行いました。加速器室は重粒子線治療の心臓部であり、普段は見ることのできない場所となっています。直径20m超のシンクロトロンやイオン発生器など複雑な装置が並ぶ様子に、大使の方々は驚きを持って熱心に機械を見学されていました。群馬大学での見学を終えた後、午後は高崎市にある日高病院へ移動し、大勢の職員による歓迎で出迎えられました。施設内では、最新鋭の放射線治療機器であるトモセラピーやガンマナイフ Perfection、FDG-PET/CTによる画像診断部門を見学され、日本の地域医療におけるがん診療のレベルの高さならびに原子力の平和的利用について実感していただけたと思っております。その後、高崎量子応用研究所へ移動し、放射線による高機能材料開発などの産業利用や大気中放射性物質のモニタリングについて見学を行いました。1日で3施設を周る多忙なスケジュールでしたが、各施設での歓迎や内容の充実した講義・説明に大使の方々は満足されていたようです。大使団は群馬に一泊し翌日福島へ出発されるということで、夜は伊香保温泉へご案内し、群馬大学主催・平塚副学長のもと、レセプションを行いました。大使の方々は純和風の旅館の雰囲気に感動され、浴衣や温泉、和食などの日本文化を楽しまれたようです。多くの大使からは「今まで色々な国へ行ったが、最も素晴らしい経験だった」と嬉しい感想をいただきました。
 今回の訪問で大使の方々には日本の放射線治療及び診断のレベルの高さについて理解を深めていただき、更には日本人の緻密さや「おもてなし」など日本文化にも触れていただけたのではないかと思います。今後も日本の国際貢献の一助となれるような活動を進めていきたいと考えております。
群馬大学 腫瘍放射線学分野 中野隆史

IAEA