メインイメージ

2017年

ASTRO報告記:森 康晶先生(群馬大学)

海外渡航記

 皆様、こんにちは。入局1年目の森康晶(もりやすまさ)と申します。

 アメリカのカリフォルニア州、San Diego Convention CenterでASTROの学術集会が9月24日から9月27日の日程で開催されました。今回、学術集会参加の機会を与えて頂き、誠にありがとうございます。僭越ながらその報告記を担当させて頂きます。

 San Diegoまでは飛行機で11時間前後、数年前より日本から直通便(JAL)が出ており、乗り継ぎのストレスなく行くことができます。機内ではAir吉野家なるものが出され、美味しく食したところで日本食と当分のお別れとなりました。San Diegoでは好天に恵まれ、全日程において晴天となり、アメリカで残暑を迎えることとなりました。San Diegoは西海岸にありメキシコと接している州のため、メキシコの雰囲気も味わうことができ、美味しいメキシコ料理も食べることができました。

 学術集会の会場であるSan Diego Convention Centerは非常に広く、企業展示の規模の大きさやポスター会場の広さ・数などアメリカサイズに圧倒されました。特に企業展示は日本でのものとは比べものにならない規模でした。

 今回は佐藤広央先生がオーラル発表、白井克幸先生、武者篤先生、久保亘輝先生がポスター発表をされました。国際学会で堂々と発表される先生方のお姿を拝見し、自分も国際学会で発表してみたいという気持ちが強くなりました。某有名漫画に『アメリカの空気を吸うだけで僕は高く飛べると思っていたのかなぁ。』というセリフがあるのですが、そんな空気がありました。夜は白井先生が留学時代に師事されていたOhio州立大学のArnab Chakravarti教授の食事会に臨席させて頂き、researcherと研究の話や日本のアニメやゲームの話もしました(アメリカでも日本のアニメやゲームは人気のようです)。Chakravarti教授は11月上旬に群馬大学で開催されるリーディング大学院の国際シンポジウムのため来日されるとのことでまたお会いできるのが楽しみです。

 学術集会ではScott Joseph Antonia MD, PhDが発表されていた3期NSCLCのCCRT後にPD-L1抗体のdurvalumabを併用or notのRCTが非常に興味深い結果でした。OSの結果はまだ出ていませんが、Median PFS from randomization was significantly longer with durvalumab (16.8 months, 95% CI, 13.0–18.1) versus placebo (5.6 months, 95% CI, 4.6–7.8; stratified HR 0.52, 95% CI, 0.42–0.65; P<0.0001)という結果で、III期のNSCLCの治療方法が変わる可能性があるかもしれません。

 最後に今回のような海外の学術集会に参加する貴重な機会を頂き、中野隆史教授、医会の諸先生方にこの場を借りまして心より感謝申し上げます。 2017年10月22日